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[あらすじ]
生まれた頃からずっと一緒にいた親友の千夏。俺(千尋)は朝早くに千夏に起こされ、呼び出されることになってしまった。
公園。少し薄暗い中急に言ってきた千夏の言葉に俺は何日か悩むはめに…… |
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信頼なる君へ
1. 告白
「千尋〜!!」
遠くで手を振っている男が、たった一人いる。
朝っぱらから呼び出してきたのは、幼馴染でもあり親友でもある、お隣さんの浜田千夏。女みたいな名前は、俺の親と仲のよい千夏の親が、決めたらしい。
誕生日が近くて、俺のほうが数日早いから、小さい頃はよくお兄ちゃんおにいちゃんと可愛かったのだが、体格は俺のほうがでかかった。
にもかかわらず、小学校を卒業した途端に、人が変わったかのようにぐんぐん成長しやがった。なぜこんなにも俺を越せるのだろうか。
「どうしたんだよ朝っぱらから公園に呼び出して……家じゃダメなのかよ」
頭を掻きながら、足るそうに冷たいおなかを手で温めながらも、俺は千夏の座っている隣にゆっくりと腰掛けた。
べつに隣同士だから、ベランダと手すりを伝って行ったら、簡単に会えるのに。
「家にはおばさんたちがいるじゃない」
なんて冷静に抜かすもんだから。
「深刻な話し?」
なんて俺の苦手な分野を出してしまったじゃないか。
俺は本当に深刻の話だけは本当にダメだ。頭が回らなくなって、ショートしてしまうから、絶対にその手の話しは遠まわしにしてもらうか、簡潔に話してもらっている。
「深刻というか真剣な話しなので」
そういうと、ゆっくりと立ち上がって俺の前に立ってきた。
俺も立った方が良いのかと思いながら、ゆっくりと俺も腰を上げようとしたとき、ポンッと肩を叩かれて立つ事ができずに、座ってしまう。
「なっなに?」
本当に朝っぱらで、街灯が灯っていたのに、パチッと消えたかのように、千夏が影になりだした。
俺は多少上目遣いになっている事を直そうと、きちんと上を向いたとき、千夏の顔が近づいてきた。
近づいてきたせいで、それに反応できずに、そのままボーっとしていると、唇に柔らかいものがゆっくりとあたり、弾力がかかってくる。
ゆっくりとその柔らかいものから、ヌルッとしたものが出てきて、唇を優しく舐めてくる。
「んっ……」
開けてしまった唇の中。いや口の中に、そのヌルッとした千夏の舌が入ってくる。
「あっ……」
口腔を探りまわすかのように嘗め回され、俺の舌に絡ませてくるそれに答えるように絡ませてしまうと、余計にすってきたり何なりと、俺の頭では処理しきれないことばかり起こってくる。
俺は千夏の肩を掴み、離せといわんばかりに思いっきり押し出した。
「やめっ!!」
ギュッと瞑った瞼を、ゆっくりと開けると、真剣な瞳でまだ見てくる千夏がいる。
そのせいで、震える俺を、ゆっくりと抑えるように、再び、俺の肩に手を乗せてきた。
「ちょっ千夏」
「なにもしないから。聞いてください」
その言葉に、俺はほっと安心し、ゆっくりとすべての力を抜いた。
信じてやるからウソをつくな。
小さい頃から俺たちは、お互いに合言葉のように交わしてきていた言葉。
こんな時にこそ忘れただなんていわれたら、俺はキスされたことよりも、その忘れた事に怒鳴り散らし、殴り飛ばすような気がする。
「小さい頃から好きだったんですずっと。ずっと。小さい頃から守りたいって思っていました」
(すき?)
「ちょっと待て……お前いつからそういう風に……?!」
「小学校に入っているときはもうすでに好きです」
真剣な顔でいうからこそ、こいつの嘘はどこからどこまでかもわからないし、冗談かもしれない。という気持ちも出てこなくなる。
「まってやー……」
呆れるかのように、ため息をつきながら俺は頭を抱える。
「お前……その頃からホモ道突っ走ってるわけ??」
「まぁそうなりますけど俺は千尋一筋です」
ここ16年くらい。
こいつが俺にタメ口を聞いたことが無い。いや。聴いたことはある。違う友達と話しているときはタメ口だ。なのに、ずっと一緒にいるこの親友の俺。千尋には、絶対にタメ口を利くことは無かった。
「……なんでだよ……だっておまえ俺にはかなり他人行儀に敬語なんてつかってるじゃねぇかよ!」
ボソボソッとした声から、だんだんでかくなる俺の言葉に、少し焦る表情を出す千夏を見るたびに、俺の言葉ではなく、何か違うものに罪悪感を感じてしまう。
本当は違うのではないだろうか。
だって。急にこんなことを言うっていうのがおかしい。
何もなく昨日は普通に笑顔でわかれた。そして寝て。目覚まし代わりなのか、急に電話してきて起こされて。
珍しく電話してくるから、不機嫌にならずに電話にとり、何かいやな予感もしながらもこの公園に向ったのに。なのに、出てきた話はこのはなし。
今まで知らなかったその話には、もちろん思考はついてこないともさ。
「敬語じゃなきゃ自分を制御できなくなるんです……いつかタイミングを外して好きだなんていってしまいそうで……」
「でも今までそんなような雰囲気出さなかったじゃないか!」
「少しでも出して、気付かれるのがいやだったんです。だから本当は近づかないようにしようと思ったけど……俺が耐え切れなくて。」
「……でも……」
「返事は急がせません。待ってますから」
そういって、少ししょんぼりした顔で、俺を見つめてくる。
(頼むからそんな顔しないでくれ)
目線をずらし、ゆっくりと俺は口を開く。
「……わかった。少し時間をくれ……」
こいつがこんなにも真剣に言うのならば仕方が無い。
下手に笑い飛ばしても、こいつが傷つくだけだって事はわかっているし、キスをしてくるから絶対だとは思う。けど……。
(やっぱりこえーよ)
いまにでもビエーンと大声で泣き出したいくらいなものを、しっかりと押さえつけ、ゆっくりと立ち上がった。
「あっの……キスして良いですか?」
少し照れくさそうに、腕で顔を隠しながら、体をきちんと起こす。
「……1回だけだぞ」
少し目線を外して、言うけど、すごく顔が火照っている。
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