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[あらすじ]
誰かに逢いたくて、見つけてもらいたくて彷徨う女の子のお話。 |
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ひとりあるき
そこ、で初めて私は大声をあげて泣くことが出来るのです。星のない夜の下で泣き叫ぶのです。
息をしていることさえも嫌で嫌で仕方がないのです。声が枯れるまで泣いても、悲しみは消えません。
私の隣には悲しさが寄り添っているのです。だからこんなに悲しいのです。
何回自分の心臓を潰そうと思ったでしょうか。何回悲しみを流す眼を潰そうと思ったでしょうか。
?
私は灰色の空が広がる街に出かけました。大きな赤い傘を持って、降る雨に打たれながら。
白い襟に黒いレースがあしらわれた可愛らしいワンピースにパンプスという格好でした。
並木の間にある大きな長いベンチが待ち合わせ場所。濡れている、そこにハンカチを置いて座ります。
じわり、と微かに冷たい水が染み込んでくるのが解りました。
そして行き交う人の群れの中から誰かを探すのです。私の名前を呼んでくれる誰か、を。
いつもここ、は雨なのです。晴れてる日を見たことがありません。だから今日も星は見えないのです。
?
そこ、でも1人なのです。もう雨はやんでいたので、私は傘を落とします。
ぱしゃり、と水を含んだ草と傘がぶつかる音がしました。空には、月が見えます。
ワンピースの裾を膝より高く持ち上げると灰色の空から落ちてきた雫が零れました。
そこ、にも大きな長いベンチがあります。そこ、は完全に乾ききっていました。
黄色いペンキで塗られたそれ、は私のベッドでもあるのです。私以外座りません。
だから、私はここ、でしか大声で泣かないのです。ここ、しか居場所がないのです。
?
本当は誰かに見つけて欲しいのです。猫でも、犬でも鳥でも、ホームレスでも犯罪者でも。
人間じゃないモノだって構わないのです。だから、誰か。誰でもいいので私を見つけてください。
誰か私、を探してください。だから私は、泣いているのです。呼んでいるのです、貴方、を。
ひとりあるき
(どうして私、を知らないの?)
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